2026/01/21 02:14


WEB担当の井原です。
今回は、捕獲後すぐに行われる鹿の解体工程を見学してきました。


山恵の解体手順(2026年1月現在の手順)

①解体の準備
②屠体洗浄
③吊り下げて計量
④解体
⑤pH測定
⑥電解水で洗浄
⑦流水洗浄
⑧冷蔵保存
後から確認しましたが、現在の手順はこの流れとのことでした。




捕獲から解体までのスピード感

「朝から捕獲が入ってるから、10時に会社で」

そう聞いて、遅れないよう10時に到着。
顔見知りのスタッフさんに挨拶をしていると、
捕獲を終えた軽トラックが解体所に戻ってきました。


山恵では、
捕殺後、寄り道をすることなく直ちに解体所へ搬入します。

これは、死後硬直が始まる前に解体を行うため
肉質を左右する重要なポイントのようです。


①解体の準備


解体は、
汚染区域
準清潔区域
に分けて行われます。

作業に入る前、パコマと呼ばれる動物用の殺菌消毒剤で消毒を行い、汚染区域から準清潔区域へ移動します。

また、解体に使用するナイフ・鉗子などの器具は、83度以上の熱湯で煮沸消毒してから使用します。





②屠体洗浄


鹿の直腸および屠体全体を水で洗浄します。
体内に残った糞や、体表についた汚れをここでしっかり落とします。
この工程を丁寧に行うことで、その後の解体時の汚染リスクを大きく減らします。



③吊り上げて計量

計量前には、以下の装備を着用します。
・防護服
・ヘルメット
・エプロン
・耐切創手袋
・ゴム手袋(2枚重ね)
・マスク

ホイストで吊り上げ作業を行うため、ヘルメットは必須
また、ナイフを使用するため、耐切創手袋で手を保護します。

衛生管理だけでなく、作業者の安全にもここまで配慮されていることに驚きました。
(耐切創手袋なんてものがあるとは知りませんでした。)





④解体

足の関節をきっかけに、皮を剥いでいきます。
足の骨にフックを通したあと、直腸を縛り、体液が出ないよう対策を行います。

皮を剥ぎ、頭を落とし、そこから内臓を一気に取り出す流れでした。


解体中、鹿の体からは湯気が立ち上っていました。
ついさっきまで生きていた個体だけに、体の中はまだ温かいそうです。

命を扱っていることを、強く実感する瞬間でした。





⑤pH計測

解体後、肉の品質を判断するためpH値を計測します。
pH値とは、肉が酸性寄りか、アルカリ性寄りかを示す指標です。
肉が酸性に寄っているかアルカリ性に寄っているかで質を判断するそうです。

pH値によって分かるのは、
その肉がどのような調理に適しているかという“個性”です。
・しっかり加熱して旨みが引き立つ肉
・低温調理やローストに向いた肉
・煮込みで真価を発揮する肉
など、pH値は調理方法を見極めるための重要な判断材料になります。

後にこんなことを伺ったのですが、まだまだ研究中のようでした。




⑥電解水で洗浄
⑦流水洗浄

解体後、流水で洗浄する前に電解水を使用して殺菌を行います。
電解水には高い殺菌効果があり、肉の表面に付着した細菌リスクを低減させる役割があります。
その後、流水で電解水をしっかり洗い流すことで、衛生性を保ちながら、次の工程へと進みます。




⑧冷蔵保存

準清潔区域で作業を行う解体者は、清潔区域には立ち入らず、清潔区域にいるスタッフが、冷蔵庫前で解体後の枝肉を受け取り、冷蔵庫へと搬入します。

人の移動と作業区域を明確に分けることで、交差汚染のリスクを最小限に抑える体制が取られていました。

解体後は死後硬直が終わるまで冷蔵庫で1~5日保管
※肉質や個体により保管期限を判断するそうです。




解体は、常により衛生的で、より早い方法を探しているため、
今回の内容はあくまで現在の手順とのことでした。

少しでも衛生的に解体を進めていけるよう、ナイフの角度や皮をめくっていく方向なども含め、人や個体に左右されない再現性の高い手順を模索しており、衛生にはとことんこだわっているという印象を受けました。

見学を通して、衛生管理に一切妥協しない姿勢を強く感じました。
同時に、この段階ではまだ店頭に並ぶまでの工程がすべて終わっていないことを知り、一頭の鹿が商品になるまでに、どれほどの手間と時間、そして人手がかかっているのかを、改めて実感しました。

正直なところ、
「いや、ほんと大変」
近いうちに次の工程も見学させてもらうのでまたブログにしますね。